Mosquitoes regret

喪失と自責の記

さよなら応援団

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今日、封印箱を開いて中身を整理した。
まとめて注文した方が安いからといろんな味が入ったゼリーセット、滑らかな食事を作るゼリー化剤、減っていく食事の量に追加する栄養剤等みんな廃棄する。
在宅医に頼んで処方して貰ったエンシュアリキッドも開栓して流しに空けた。

情報を集めて、スーパーを歩いて、ネットで探して…食べられなくなって行く夫に、少しでも栄養をカロリーを、と必死だったから、食べるべき人が居なくなった時、それらを見る事も触る事も辛かった、痛かった、だから段ボール箱に仕舞って1年以上封印する事になった。

旅立つその朝まで使っていたスリッパ、そのままホコリを被ってこれも1年以上…ビニールケースに仕舞った。

指先で酸素濃度を測る機械、ベッドに掛けて押せばチャイムが鳴るスイッチ、病院で買って使ったコップ、頑張ってねとマジックで書いたティッシュボックスも、普段開けない引出しに仕舞った。

零れ落ちてしまったものたち。
私と一緒に取り残されてしまったものたち。

仕舞った時の苦しさはなかった。
「力になりたかったよ、ゴメンね…」と言っている様で、憐れさを感じた。
力にしたかったよ、君たちを夫の…。
とてもとても残念だよ…
こちらこそゴメンね…
そう言って別れる事にする。


私のモスキート語りは明日にしよう。今日は疲れてしまった。