Mosquitoes regret

喪失と自責の記

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

野生の母

赤ん坊を連れて夫の待つ自宅へ戻り、新生活の始まり。 春と言ってもまだ寒さも残る、古い木造の貸家に、義父と義兄がエアコンを取り付けてくれた。 なのでうちのエアコンは子どもと同い年だ。 それと、子どもと私が過ごす部屋と廊下を隔てるドアがないので、…

呪い

待望の『家族』となった。 しかし、帝王切開は出産ではあるけど手術。 大学病院は非常に混んでいる為、割と早く退院させられる。 私は出血が多かったせいで術後の回復が芳しくなく、当日になるまでハッキリせず、退院と決まればアレコレ手続きやレクチャーが…

モスキート、母となる

忌まわしい因縁のある病院で、初めての子を産む事は、出来れば避けたかった。 けれど、季節は12月、年末年始を控えて、紹介状のない病院をあたるのも冒険だ… まごまごしてる内に何か急変があったら…そう思うと、あの、弟の亡き骸と対面した病院を選ばざるを…

プレ・モスキート時代

結婚は家庭を作る為のもので、家庭には子どもが居るものだ、と信じて疑わなかった。 子どもを持たないなら結婚する意味はないような気がしていた。 敢えて子どもを持たない夫婦がいる事も、自分達に子どもが授かるかどうかわからない事も、理解はしていたが……

モスキートの言い訳

結婚して幸せな家庭を作る。 ありきたりな、でも、決して努力だけでは叶わない夢だ… その能力も運の良さも持っていないと知っていた、だから公言出来なかった。 前述の通り、私の弟は幼くして入院、手術を経験している。 当時は助からないと診る医師もいた。…

モスキートな私

ブログタイトルは『蚊の告悔』をグーグル翻訳したらこうなりました。 蚊とは私。 夫と再会した20代の終わり、私は結婚がしたかった。 親経由のお見合いもしたし、某相談所にも登録し、何人かと会った。 それまで、まともに恋愛の経験はなかった。 そう言う事…

さよなら応援団

今日、封印箱を開いて中身を整理した。 まとめて注文した方が安いからといろんな味が入ったゼリーセット、滑らかな食事を作るゼリー化剤、減っていく食事の量に追加する栄養剤等みんな廃棄する。 在宅医に頼んで処方して貰ったエンシュアリキッドも開栓して…

私の現在 2021.10.

私は現在、精神科で抗うつ薬を処方されている。 死別から半年過ぎた今年2月から。 夫の在宅闘病中も、夜間トイレに数回起きるのに付き添う為、中途覚醒が習慣化していた。 死別後は更に入眠障害で、朝刊のバイクの音を聞く事が多かった。 それでも無職だった…

父の事

今日、日付が変われば昨日、父の4回目の命日だった。 なので、父の事を話そう。父は東北の田舎の貧しい鍛冶屋の末っ子だった。 長兄が跡を継ぎ、他の子どもは家を出て自分の食い扶持を得るのが習わしだった。 母親は父が少年の頃、病で死んだらしい。ずっと…

投票券に思う

衆議院選挙の投票券が届いて、彼が初めて棄権した日を思い出す。意識の高い人だったから、行かないと言ったのは初めてで、私はショックだった。 子どもの前で、善き手本と在るべきと、私も彼も思って来た。 体調が悪かったのか…投票所はすぐそこなのに…調べ…

痛みを辿る旅

一周忌が終わったら… 納骨が済んだら… 先延ばしにして来た片付けを少しづつ…と思うけど、彼が使っていた日用品を、仕舞うなり捨てるなりして目に触れなくしてしまう事に、途方もない抵抗がある。まるで、もう居ないみたいじゃない… 体はなくても居るのに…! …

レスポンス〜呼び水〜

友人からLINEが来た。 郵便局から送った香典返しが届いたらしい。 もう着いたのか…と言う事は他の納骨お知らせ葉書も概ね届いたと言う事かな… ちょっと緊張する… 彼の事を思い出して欲しい、彼に想いを馳せて欲しい…その反面レスポンスに慄く… もう一周忌も…

一段落とバイクの事

昨日の午後、デパートに行って、秋のお彼岸にお線香贈ってくれた人に御返しを選んで、納骨のお知らせを封入して配送して貰う手配をした。 遅くなってしまったけど、どうせなら納骨のお知らせと合わせようと思った。葬儀合わせで連名で御霊前送ってくれた私の…

仏壇設置

ラフなスタイルの仏壇をネットで取寄せてあった。 骨壷が墓所に移動して、余裕が出来たローチェストの上を整理して、位牌や分骨壷などを並べた。明るい色にして良かった。 少しまだ暗いかな? 内側に電飾を付けようかな? 彼の為に出来る事、こんな少ししか…

〜はじめに〜 ここでやりたい事

2020年夏、自宅で看取った夫を昨日納骨した。ずっと家に置いても良かったが、私もいつ旅立つかわからない、その時に子の負担を少しでも減らしておきたいと考え、場所は確保し、期限まで1年余り手元に置いた。 今も、取り分けた手元供養の為の小さな骨壷は残…