Mosquitoes regret

喪失と自責の記

剣呑 剣呑

夜寝る前には夫に「助けてね、守ってね」ではなく「教えてね、導いてね」と祈るようにした。

私は幸運な事に、助けて貰う事も守ってもらう必要もない現状だ。

今月の家賃が払えないとか借金取りに怯えなくて済んでいる、今の所、家族に重大な病気も見つかってない(私の鬱以外は)。

 

私がわかっていない事を教えて欲しい。

正しい道に進めるように導いて欲しい。


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ある夜眠りにつく前に「私は、私を許せない私のままでいいのでは?そのままの私を受け容れるとは、そういう、歪な自分のまま、OKと言う事なのかな?」

許さなくては…自傷する自分をなだめて抱きしめてやめさせなければ…自分を傷付けたい私を矯正しなくては…

そう思って来たけれど、そう言う危うい自分をそのまままるごと、受け止めればいいのかも…

剣呑

刃をそのまま丸呑みに…


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その次の日の夜には、ふと、「私に、夫の運命をどうにか出来る力なんて、ある訳ない」

と思えた。

降って来た…と言うか、憑き物が落ちたように、「どうして私なんかが夫の運命をどうにかしてしまえると思ったんだろう…」と…

私という劣悪な魂が呪いとなって、夫のエネルギーを削ぎ落とし、命を蝕んでしまった…と。

私がそんなパワーを持ってるなんて、如何にマイナス方向であったとしても、幼児の持つ万能感に近いのかも知れない…

「自分のせい、と思ってしまうのが病気のせいなの」

Dr.の言葉を振り返る。

この医者は何も分かってない…そう思ったあの日から、来月1年になる。

あの日の私は、きっと今の私を堕落したと…真実を見つめ続ける苦しさから逃げたと感じるだろうな…

そうやって自身を罰し続ける『私』の事も、私は受け容れよう。

間違いだと否定して、消してしまおうと力まないで、そのまま呑み込む。

剣呑で行こう。